多言語化が進む日本の標識

多言語化

外国語というと、
真っ先に思いつくのが英語。

実際、中学校などで最初に習う外国語は英語ですし、
大学などで複数の言語を学習できるようになっても、
第一外国語として登録するのは英語である事がほとんどです。

このように、日本人と英語の付き合いは、
現在ではごく一般的なものですが、
歴史的にはそれほど古いものではありません。

良く知られているように、
江戸時代には鎖国をしていたので、
基本的には外国との交流は認められておらず、
庶民が外国語を意識する事もほとんどありませんでした。

また、その時代でも、
一部の人たちは外国の資料などに接する機会がありましたが、
そのときに主流だったのはオランダ語であり、英語は極々少数派でした。

明治時代になり、鎖国制度が終了して、
その終了する際にアメリカなど英語圏の国と接する機会が増えたことから、
次第に日本でも英語が広まってきたのです。

このように見ると、
日本人と英語の付き合いも歴史的にはまだ初歩段階とも言えるでしょう。

日本人と外国語の付き合いも江戸時代から明治時代以降の変化に見られるように一定したものではないので、
その時代時代で変化する可能性は常にあるものです。

現在では、国際的な公用語としての英語の役割は大きいものですが、
人口比で言うと、中国語やイスラム圏の言語も使用している割合は少なくありません。

また、世界の中の一部の地域では、
その地域ごとに主流の言語が異なります。

ここで言う地域とは国などの単位ではなく、
アジアや南米といった少し広い範囲のことです。

国際化による地域的な配慮が必要

各国ごとで見ると、その国の母国語があるので、
その言語を基本にするのが自然な流れですが、交通手段が発達して、
人の行き来が頻繁になると、母国語だけを考慮するのではありません。

国際的あるいは地域的な配慮が必要になるのです。

実際、自分が外国にいったときのことを想像しても、
その国の言語以外でコミュニケーションが取れないととても不便だと言うのは想像に難くありません。

諸外国から日本を訪れる人が目にするものは、本や雑誌などの印刷されたものもあります。

しかし、街に出れば、標識などの様々な文字情報が溢れています。
普段日本で暮らしている日本人としては、特段意識するものではありませんが、
これらは当然のように日本語を主体に構成されています。

しかし、上述のような配慮に注意すれば、
日本語だけでは十分ではありません。

標識や看板などについても、最近では多言語化が進んでいます。

これらの多言語化というと、
日本語と英語の併記というのが一般的でしたが、
最近では、英語以外の言語の併記もよく見られるようになりました。

国際的な公用語として英語を重視することは、
今でも変わりはないのですが、
実際に日本を訪れる人のニーズとは必ずしも一致していないのです。

これらの多言語化の様子を見ると、
日本における外国人旅行者の構成の現実を垣間見る事ができるでしょう。

日本国内でも、併記される言語が異なる事もあり、
その地域の独自性なども分かって面白いものなのです。